ヒ-ロ-なんていらない

姫の初恋

見事なこぶがこんもりと


あたしのおでこの真ん中にできていた。



昨日の屈辱を回想しながら


頭一杯に広がる王子の顔


結姫ちゃんと呼びかける声


プシュ~と音を出してタイヤの空気が抜けるように


あたしの身体から怒りも恥ずかしさも抜けて行った。


完璧なあたしが保てないって


もしかして、もしかして


これが恋?


あたしは王子に恋したの?
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