ヒ-ロ-なんていらない
そして事件は起きた。


あたしは、夏風を引いてベッドで寝ていた。


だからみんなが遊びに来ていたことに気づかないでいた。


その日も、紬君が持ってきたビデオをみんなで見ていたのだと思う。


あたしは、寝苦しくて眼を覚ました。


気がつくとあたしの上に紬君がいた。


「なあに?」


いつものおふざけかと思って声を掛けると。


「俺、穂香が好きだ。」


そう言って唇を押しつけてきた。


突然に事に驚いて声も出なかった。


「好き。」


と言って何度もぎゅうぎゅうと口を押しつけて来た。

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