ヒ-ロ-なんていらない
生徒会室のドアをガラッと開けて


深沢はあたしをを放りこむ


「健一、こいつに見られたゼ。」


な、何いきなり覗きばらしてんのよこの男は。


王子は顔を歪ませてあたしを見る。

つかつかとやってきて、あたしの頭に手をあげる

殴られる?!

ギュッと目をつぶると。

ふわっとおでこに触って、


「昨日のコブ大丈夫だった?」


そっと目を開けると昨日と同じ優しい心配そうな顔が覗き込んでいた。


ああ、やっぱりあたしはこの人が好きだ。再確認してしまった。


「か、唐沢先輩、あたし、あなたが好きなんです。」


おでこに当てられた手をギュウっと掴んで。告白していた。
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