ヒ-ロ-なんていらない
「やめて。」


と声を出したのに声にならない、


布団をはがされパジャマの上から胸を触られた。


「やだやだ。」


と泣いたら。


睨まれ、腕を掴まれた。


強い力で抑えつけられ


紬君の真赤な顔があんまりにも真剣で


怖くて怖くて涙だけが零れ落ちた。


もう一度唇が触れようとした瞬間


紬君が引き剥がされ




「やめろ!!」と凄む声がして、


紬君は慌てて部屋を飛び出していった。


泣きじゃくるあたしを抱きしめて


「もう大丈夫だから。怖かったね。」


と言ってくれたのが


宝君だった。






< 9 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop