あの日の君から
「綾香、俺!誠也!」
「誠也?」
「おぅ。ココ綾香の夢の中。」
「え・・・?」
確かにさっき布団に入った。
そしてそこからの記憶はないから多分・・・寝たんだと思う。
じゃあ、また夢で誠也と会えたの?
でも、今回は誠也にも私が見えてるみたいだし、この間の夢とはちょっと違う。
「綾香、ありがとう。」
「え。」
「俺の事好きだったんだろぉ?」
「えぇっ!何で・・・」
「綾香知らないかもしれないけど、俺が死ぬ前からずーっと、慶介は『綾香は誠也の事が好きだ』って言ってたんだぜ?」
えええぇっ!!
「・・・うそぉーっ。」
本人にまで知られてただなんて。
あ、でも夢か。
「悔しかったんだろうなぁ、慶介も。」
「悔しかった・・・って?」
「はははっ、言ったら慶介、怒るかもしれないけどさ、俺も慶介も小学生のころから綾香の事好きだったんだよなぁ。そんで、綾香が慶介の事ただの友達としか思ってなかったから、悔しかったんだろぉな。」
え、そんな・・・・・・
「夢だもん!信じられないよ!」
「じゃあ、どうやったら信じてくれる?」
「えーっと、じゃあ朝ごはん当てて!」
「食パン1枚のみ。」
あー、やっぱり夢だ。
食パン1枚なんて私的にあり得ない話。
少なすぎて、餓死しちゃうもん。
「へーぇ。じゃあ本当だったら信じるね。」
とか言って、絶対あり得ないけどね。とか思ってる私。
「おぅ。慶介の気持ち、答えてやれよ!」
「えぇっ、そんな・・・」
「おっと、時間だ。じゃあな、綾香」
そう言うと、誠也は消えた。