キスなんてさせない(短編)
「可奈、それってどうゆう意味?」

あたしは、気になって可奈に聞いてみた。

ハアーとため息ついて可奈は、言った。

「陽菜は、鈍感だね。健太君は、陽菜が無理に付き合ってくれてると
思って健太君は、別れたんだよ」

何で?

あたし、健太にちゃんと言ったじゃん。

健太に伝わってなかったの?

「でも、あたしはちゃんと健太に言ったし……。
健太は、あたしに愛想ついたんだよ」

バシッ

あたしは、可奈に頬を強く叩かれた。

「あんたは、まだ分かんないの?今、傷ついてるのは、陽菜じゃなくて
健太君でしょ。陽菜は、健太君の気持ち考えてみなよ」

可奈は、泣きながらそう言った。

初めてあたしは、可奈に叩かれた。

そうだ。あたし、全然健太の事考えてなかった……

健太は、傷ついてるのに……

ただ、あたしは恥ずかしいとかばっかり考えてた。

可奈の言う通りだよね。

あたし、健太に自分の思いを伝える。

遅いかもしれないけど……

「あたし、健太に自分の気持ち伝える」

可奈は、「やっと分かったんだね。頑張れ、陽菜」

可奈は、いつもあたしの事を応援してくれた。

だからこそあたしは、そう思えたんだよ。
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