キスなんてさせない(短編)
ボールを出した。

板チョコを割ってボールの中に入れてお湯でチョコをスプーンで溶かしていく。

―数分後

よし、溶けた。

次に溶かしたチョコを型に入れて後は、冷蔵庫に入れて固まるのを待つだけ。

意外に簡単だった。

不器用なあたしにも出来た。

後は、固まるのを待てばいいよね。

―2時間後

冷蔵庫を開けて見たらきれいに固まってた。

よかった。

あたしは、心の中でそう思った。

後は、買って来たラッピングで包むだけ。

あたしは、チョコをラッピングの中に入れて包もうとした。

なかなか難しい。

あたしって不器用だからな~。

時間をかけたら何とか包めた。

あたしは、ラッピングされた2つの袋を見た。

可奈は、渡せるけど健太とは、ケンカしてるからな~。

それに渡したとしても食べてくれるかな?

食べてくれればいいけど……

渡す時、健太に謝ろう。

健太も謝れば許してくれるよね?

あたしは、中々眠れなかった。

―バレンタイン当日

うわー。やっぱし、みんな張り切ってるな~。

女子は、男子にもうチョコを渡していた。

あたしは、先に可奈にチョコをあげる事にした。

「可奈、おはよう。これ、可奈に」

「陽菜、おはよう。これ、ありがとね。私も陽菜に」

「ありがとね」

「陽菜、健太君にはもうチョコあげたの?」

そっか。可奈は、知らないんだ。

あたしと健太がケンカした事を……
< 26 / 28 >

この作品をシェア

pagetop