キスなんてさせない(短編)
ガラー

えっ……? 健太?

何で?

「おい、誰だよ。こんな事書いたのは」

健太は、机を蹴飛ばした。

健太は、書かれたのを消した。

周りが噂してたのを聞いて、「おい、陽菜に謝れよ」っと言った。

健太は、あたしの手を引いて教室を出た。

何でここまでしてくれるの?

あたし、健太に冷たくしたのに……

あたし、健太を傷つけたんだよ。

「陽菜、大丈夫か?」

いつもの健太より男らしかった。

あたしは、思わずそんな健太に見とれてしまった。

「うん」

あたしは、素直に言った。

「陽菜、熱あるんじゃないのか?」

「何で?」

「だってやけに素直だし……」

失礼な。

あたしが素直になったら熱でもあるの?

「失礼な」

あたしは、ムッとした表情で健太に言った。

「嘘だって」

よし、素直になろう。

今なら言える。
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