キスなんてさせない(短編)
「あのね、健太――……」

「陽菜、俺といて楽しい?」

前は、俺の事好きって聞いたけど今度は楽しいって聞いて来た。

「何でそんな事ばっか言うの?」

「だって俺といても楽しくなさそうだし、それに付き合っても
キスなんてさせてくれないし……」

えっ……? あたしは、健太といて楽しいよ。

ただ、素直に言えないで……。

でも、楽しいって言うの恥ずかしい……。

「えっと……」

あたしは、どう答えっていいのか分からなかった。

「もう、いいよ」

えっ……? その言葉ってどうゆう意味?

「健太、それってどうゆう意味?」

あたしは、おそるおそる聞いて見た。

聞くのは、怖い。

でも、聞かないと……。

「別れようって意味」

えっ……? 別れようって?

それって健太は、もうあたしの事好きじゃないって事?

あたしは、何も言わずにただその場で立ち尽くしていた。

健太は、「今までこんな俺に付き合ってくれてありがとう」
と言って去って行った。


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