千尋くん、千尋くん
「ど、どうしようヒメちゃん……っ」
「なにがよ」
「嬉しい、ものすごく嬉しいけど……! あたし、1組なのに3組の千尋くん応援しちゃった……っ」
「………。あるみのそういう単純で素直なとこ、好きよ」
「あゎゎっ……まさか自分がこんな裏切り行為をしてしまうなんて……っ。うぅっ、ヒメちゃんごめんねー……!」
実際、千尋くんを応援してた時は、千尋くんのことで頭がいっぱいで。
今になって、千尋くんがゴールして安心したら、自分が間違いをしてたことに気づく。
「いいんじゃない? あっちのほうも、自分のクラスのためっていうか、あるみのために頑張ったみたいだし。ほら」
そう言われて、ヒメちゃんの視線の先を見ると。