千尋くん、千尋くん







だんだん夕暮れが近づいてきて、教室の窓から差し込む明かりが、オレンジに染まる。





「千尋くんと一緒にいれるなら、どこでもいい、よ」




放課後になってから着た、千尋くんのジャージの袖をきゅっとつかんだ。





きっと今、あたしものすごく赤い顔してる。





だけど、きっとオレンジの夕日に紛れて分からないだろう。






「リレー、頑張ったからワガママ言っていい?」






「わ、がまま?」







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