千尋くん、千尋くん







すると、開いた扉からひょっこり男子制服のズボンをはいた脚がチラチラ見え隠れする。




……もしかして。





そんなことは絶対ないのだが、やはりちょっとだけ期待してしまう。







いや、絶対にあり得ないのだけど。








「よっ……と……!」






もちろんあたしの淡い期待は一瞬にして打ち砕かれ、開けられた扉から大きな段ボールを抱えた男子生徒が入ってきた。





さっきのドーンッという大きい音は、段ボールで手のふさがってる彼が、脚であの重いドアを開けた音らしい。








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