千尋くん、千尋くん
「ぅおっと! そんなに見つめられたら照れるじゃないか!」
「みっ、見つめる……!?」
確かに冷ややかな視線を送った覚えはあるが、勘違いさせるような熱い視線を向けた覚えはない。
なんか、調子の良さそうな人だ……。
「な、なにか用事があったんじゃ?」
「はっ! そうだった、そうだった!」
とりあえず、このまま話を続けてると埓が明かないので、とっとと用事を済ませてもらおう。
あたし自身、明るい性格ではないので、こういうタイプの人と話すのはあまり得意じゃない。