千尋くん、千尋くん
「えーっと……!」
「うん」
「あれ……何しに来たんだっけ?」
「ぇえっ……!?」
なんなんだろう、この人。
いや、本当に。
自分で図書室に来たのに、話し込み過ぎて目的忘れるって……。
あたしが言えた義理じゃないのかもしれないけど、ひょっとしてこの人は「バカ」なのだろうか……。
「その、それはなに?」
ついさっき、彼がテーブルの上に置いた段ボールを指差す。
あたしが思うには、その段ボールが何か関係あるんだと思うんだけど……。