千尋くん、千尋くん
「うぉぉ! そうだっ、これやこれや!」
どうして途中から関西弁なのかは、もうつっこまないでおく。
「なんかさ、うちの担任が図書委員会の顧問らしいんだけど。昼休み教室で寝てたら「暇だったらちょっと手伝って」って、言われちゃって〜」
うーん、と腕を組んで話始める彼。
聞きたいのは、なんでここに来たかではなく、何しにここへ来たのかなんだけど……まぁ、いっか。
「本当はめんどくさかったんだけど、オレには困ってる女(担任)をほっとくことなんて、できなかったんだ」
「や、優しいですね」
「褒めるな褒めるな、照れるじゃないか!」
にやけながら首を横に振る彼。
うん、なかなか単純なお方である。