千尋くん、千尋くん
「そしたら、この段ボールを図書室まで運んでくれって! いやぁ〜、結構重くてまいっちゃったよ、あはははっ」
「で……その、中身は?」
ようやく本題に入ってくれて、ひとまず安心。
「新書の本だって! 箱から出して、開いてる棚に並べておいてくれって!」
「開いてる棚……あ、あそこかな?」
周りを見渡すと、図書室の奧にスペースの開いてる棚がある。
しかし、開いてるのは上の2列で、あたしがそこに本を並べるとしたら手が届かない。
ちょっと難しいミッションだ。