千尋くん、千尋くん
そうだ、そうだ。
イスの上に上がれば、本棚の上になんて楽々とどくじゃないか。
というか、なぜすぐに気づかなかったのだろう。
そう思いながら、奥の本棚の近くにあったパイプイスを運ぶ。
本の入った段ボールは重くて持てなかったので、その中から何冊か持てる分だけ持っていく。
ちゃんとイスを汚さないように靴をぬいでから、ギシッと音をたてるパイプイスの上に乗っかった。
巻数順に新書の本を並べていきながら、ボーッと考え事をする。
千尋くんは大丈夫なのかな?
もうメールの返事きたかな?
あ、携帯カウンターに置いたままだっけ。