千尋くん、千尋くん
するとその時、タイミングよく、マナーモードにしてあった携帯が、ヴヴヴヴ───とメールがきたことを知らせた。
反射的に、そちらを向こうと身体をひねった瞬間────。
「………っ!!」
グラッと不安定に身体が揺れて、そのまま元の姿勢に戻れなくなる。
────落ちるッ……!!!!
そう思って、ギュッと目をつぶった。
────ドサッ!!
────ガタンッ!!
暗闇の中で、自分が落ちた音とパイプイスが倒れた音が聞こえた。