千尋くん、千尋くん
「ほんっとに、ごめんなさい……! や、やっぱり保健室に……!」
「大丈夫大丈夫っ、ちょっとハラハラしたけど、痛いとこはないから! 気にしなーい」
「うぅ……ほんとに申し訳ない、です」
もう一度、うつむきながら謝る。
なぜか、1回帰っていったはずの彼が戻ってきた。
その理由も分からぬまま、とりあえず彼の上からどけて頭を下げる。
状況はどうであれ、痛い思いするところを間一髪助けてもらったのだ。
心から感謝すべきである。