千尋くん、千尋くん
慌ててあたしもフォークにパスタを巻き付けて、口に運んでみる。
「あ……おいしい」
「うまいっつったじゃん」
確かに、パスタはしょっぱいけど、そのぶん少しカニクリームソースが甘めだったため、あまり気にならない。
とりあえず、まずくて千尋くんに怒られる心配がなくなって、一安心だ。
「なーんだ、おいしいおいしい」
「はいはい、鏡見ろよな」
「うにゅっ!」
容赦なしに、ティッシュであたしの口をゴシゴシしてくる千尋くん。
く、口が取れる……っ!