千尋くん、千尋くん
「あっ、あの! まだ心の準備が……!」
「何の準備だよ」
広めの廊下を、千尋くんにズルズルと引きずられながら進んでいく。
千尋くんの部屋らしきドアを開けると、背中を押されて中へいれられた。
千尋くんは、時に強引である。
「何か飲み物持ってくるから、適当に座ってて」
「ぁぅ……あ、はい」
パタン、とドアが閉まって千尋くんの足音が遠のいていく。
というわけで、初・千尋くんの部屋に入ってしまったである。