千尋くん、千尋くん
なんだかんだで、宇治橋家の三兄弟が集合してしまい。
予想外のご対面となったわけだが……。
「いやー、本当にこれからって時に邪魔してごめんな! うちに女の子の靴があるなんて、もうそりゃ驚くのなんのって!!」
「べ、別にこれからって、とかじゃないんで……!」
ただ千尋くんと一緒に寝てただけだし……。
いや、それも誤解させてしまった問題なんだろうけど。
「千尋は昔っから女の話とかオレには絶対に教えてくれねぇし、瑞穂はいろんな女と遊んでるみたいだけど、家知られると面倒だーとか言って、連れてきてくれねぇし」
「は、はぁ……」
「いやぁ、でも安心したよー。こんなに可愛い子が千尋の彼女で! あれ、彼女で合ってる? セフレ、とかじゃないよね?」
「彼女、ですっ……たぶん?」
我ながらそこを強く言えないのが、なんか悲しい……。
それにしても、千尋くんの兄弟みんな揃ってみるとそれこそ顔はそっくりでも、雰囲気とか、性格とか、全然違うもんなんだなぁ。