千尋くん、千尋くん
「あるみちゃんは、千尋と同じ学年かな?」
「あっ、ぇ……と。羽咲あるみ、です。千尋くんと同じ1年生で、お付き合いさせてもらっています! た、たぶん!」
人見知りなもので、赤面しながらもそう言って頭を下げる。
バシッ。
「あた……っ!!」
が、なぜか後ろから雑誌か何かで軽く叩かれた。
もちろん犯人は千尋くん。
「さっきから、たぶんってなんだよ」
「え、いや……勝手に断言しちゃうと、図々しいかなって」
「別に、付き合ってんだからいいだろ」
「じゃあ、千尋くんの彼女……って言っても、いいの?」
「ん」
「そっ……か」
ちっちゃく頷くと、くしゃりと千尋くんに頭を撫でられた。