千尋くん、千尋くん
あんなに悩んだのに、あたしはただ千尋くんに遊ばれていただけだと知って、ショックを受ける。
千尋くんめ……。
さっきの乙女の複雑な気持ち返せ……!
むくれながら、見上げた先の千尋くんを睨む。
クスリと笑った千尋くんは、そのままあたしの耳元に唇を落とした。
"だって、あるみに妬いてほしかったから"
いつだって千尋くんはずるい。
そんな小さな一言で、あたしのご機嫌をとってしまうんだから。
「織姫と彦星みたいな、運命の2人っていいよね」
「オレはやだよ、」
「?」
「あるみと1年に1回しか逢えないなんて」
「………///」