千尋くん、千尋くん
「み、瑞穂くん……」
「なに?」
「あ、あたしにも分かるように説明……してください」
年下の彼にこんなことを頼むのも変な話だが仕方ない。
だって、中学の時いつも国語は2だったのだから。
国語の教科担任の先生に、あるみは思考回路を巡るスピードが普通の人の3倍はノロいんだと、よく褒められたものだ。
あれ、今考えたらそれって褒められてたのかな。
っと、話がずれた。
「あるみにも分かるように?」
「う、ん」
「じゃあ……デートしてもらいに来たって言えば分かる?」
「……………」
それはそれで、頭上のハテナが増えてしまうのだが…。