千尋くん、千尋くん
「今日兄ちゃんと遊ぶ約束は?」
「千尋くんと……? してない、けど」
「このあと何か予定は?」
「と、特に」
「じゃあ、決定ね」
「えっ……?」
今度はニカッと白い歯を見せて笑った瑞穂くん。
……なんか、何がなんだかよく分からないうちに何かが決定されてしまった。
呆然としてる間に空いている腕を瑞穂くんに引っ張られて、そのまま歩き出す。
不敵に笑う瑞穂くんは、あたしを一体どこへ連れていくつもりなのだろうか……。