千尋くん、千尋くん
その後も瑞穂くんに振り回されながら、初体験のさまざまなゲームに付き合う。
リズムに合わせていろんな色のボタンを叩くゲームだったり、バスケットゴールに何回ボールが入ったかで景品がもらえるゲームだったり。
ちょっとだけ疲れてきたりもしたけど、隣で無邪気にはしゃぐ瑞穂くんを見てると、もう少し遊んであげたい気になってしまう。
心境は、弟のわがままに付き合う姉の気分だった。
「あーっ、遊んだっ!」
ようやくゲームを満喫し終わったのか、そう言った瑞穂くんはゲームセンターの隅にある休憩用のベンチに腰かけた。
その様子を苦笑しながら見ていると、ポンポンと自分の隣を叩いたので、少し距離を開けてあたしも座る。
ゲームセンター内のBGMや機械音が多少騒がしいが、会話をするにはあまり支障がない程度だ。