千尋くん、千尋くん
「オレ、女とこういう風に遊ぶのって初めてだなぁ」
少し汗のかいた前髪を無造作にたくしあげながら、ぼそりと呟く瑞穂くん。
「えー……でも瑞穂くんってなんかいつも女の子といそうなイメージだけど」
現に、この前熾音さんが「瑞穂はいろんな女と遊んでるみたいだ」って言ってたし……。
初めて会ったときも、女の子となんか揉めていた気がする。
「んー。確かにオレは自分でも女遊びが多いほうだと自負している」
「あ、認めちゃうんだ……」
「だけど、それってただ言い寄ってきた女と遊んでるだけっていうか。その子の家に行って、することしたらはい終わり、みたいな」
「す、することっ……て」
「え? そりゃひとつ屋根のした男女が2人でやることなんて……」
「い、いいですっ! 口に出さなくて……!」
な、なんか……まだ中学生なのに、瑞穂くん大人な体験しすぎなんじゃ……。
さっきの純粋かつ無邪気な瑞穂くんからは、そんなことしてるのは想像しにくいなぁ……。