千尋くん、千尋くん








「オレ、女とこういう風に遊ぶのって初めてだなぁ」




少し汗のかいた前髪を無造作にたくしあげながら、ぼそりと呟く瑞穂くん。





「えー……でも瑞穂くんってなんかいつも女の子といそうなイメージだけど」




現に、この前熾音さんが「瑞穂はいろんな女と遊んでるみたいだ」って言ってたし……。




初めて会ったときも、女の子となんか揉めていた気がする。





「んー。確かにオレは自分でも女遊びが多いほうだと自負している」




「あ、認めちゃうんだ……」




「だけど、それってただ言い寄ってきた女と遊んでるだけっていうか。その子の家に行って、することしたらはい終わり、みたいな」




「す、することっ……て」




「え? そりゃひとつ屋根のした男女が2人でやることなんて……」




「い、いいですっ! 口に出さなくて……!」






な、なんか……まだ中学生なのに、瑞穂くん大人な体験しすぎなんじゃ……。




さっきの純粋かつ無邪気な瑞穂くんからは、そんなことしてるのは想像しにくいなぁ……。






< 198 / 397 >

この作品をシェア

pagetop