千尋くん、千尋くん
でも、たった今自分が瑞穂くんに言ったことは、理屈でもないし正論でもない。
だから、これが答えかなんて聞かれたらそれは自分でも違うと思う。
だけど今あたしは高校生で、瑞穂くんは中学生。
そんなに深く考えなくても、きっとこれから学んでいけるから……。
ただ単純に、自分の想う恋愛をすればいいんじゃないかな。
誰もそれを間違ってる、だなんて言わないから。
「今は、瑞穂くんがしたい恋愛をすればいいと思う。たとえそれがたくさんの女の子相手の恋愛や、誰かを泣かせる恋愛でも」
「ふーん……。なんか拍子抜けしたな」
「そ、そう……かな?」
「あるみだったら、女の子を泣かせちゃダメだよ。一途な恋愛をしなさい。とか、説教垂れると思ったのに」
クスリ、千尋くんみたいに口角を上げた瑞穂くん。