千尋くん、千尋くん
「瑞穂くん……そろそろ帰ろうよ」
「んー」
アミューズメント施設のちょうど中央にある野外広場。
そこには大きな噴水があって、そのすぐそばのベンチにあたしと瑞穂くんは腰かけていた。
「瑞穂くんまだ中学生だし……早く帰らないと、熾音さんと千尋くんに心配されちゃうんじゃ……」
「んー」
「く、口からストローを離しなさい……っ」
「んー」
さっき売店で買ったシェークをちゅちゅー吸いながらしゃべる瑞穂くんは、さっきから「んー」しか答えてくれない。