千尋くん、千尋くん
1人でも
千尋くんと初めて過ごした夏休みは。
お祭りに行ったり、熾音さんの車で海に連れていってもらったりと、充実した毎日だった。
暑いということもあってか、いつもの倍以上だるそうだった千尋くん。
だけど、時たま見せる笑顔は、やっぱりあたしの心を癒してくれた。
今年の行事も、残り秋と冬の2シーズン。
もっと、千尋くんと同じ季節を笑顔で共にしたい。
そんなことを考えていた秋の始まり。
千尋くんに違和感を覚えたのは、2学期が始まってすぐのことだった。