千尋くん、千尋くん
あたしなら
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「き、来ちゃった……」
辺りがすっかり暗くなった夜の8時近く。
マキシ丈のトレーナーワンピースにカーディガンを羽織って、外をうろうろしている怪しい自分。
「こんな夜に普通迷惑だよね……で、でもでもこのままじゃいけない気もするし」
いつの間に心の声が口から出てきて……。
うろうろしながらぶつぶつ何かを呟くあたしは、怪しさと不審さ倍増。
そんなあたしがいるのは、千尋くん家のマンション前。
ほんの数時間前に気まずいまま別れを告げた千尋くんに、はたまた逢いに来てしまったのだ。