千尋くん、千尋くん
「まぁまぁ、そんな固くなりなさんな。もう少しゆっくりしていいよ」
「は、はい……」
優しくそう言ってくれた熾音さんだったけど。
やっぱり、千尋くんのお兄さんとはいえ、車の中に男の人と2人きりでいるのは始めてなわけで……。
緊張するなって言われるほうが、少し難しい。
「ほれほれ、あるみちゃん顔怖いよ」
「ほ、放っといてくださいっ……」
「怒った顔もキュートだねぇ」
「し、熾音さんふざけてるでしょ……!」
「あ、バレた?(笑)」