千尋くん、千尋くん
それに、仮にも千尋くんにジャージ貸して、なんて言っても絶対拒否られる気がするし……。
やば、なんか……へこむ。
勝手に落ち込んだりへこんだりしてるあたしを、ヒメちゃんは不思議そうに見ている。
「ジャージないのそんなにショックな感じ?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど……」
「あ! そういえば!」
「?」
またまた何かを急に思い付いたヒメちゃん。
ポンッと手のひらを叩いてから、後ろのロッカーへと向かっていく。
「あった! あった! 夏まで着ないからここに閉まっといたんだよね〜」
「え、あたしそれ着るの?」
「制服よりマシっしょ」
「えー……」