千尋くん、千尋くん
うぅ……どうしよう。
で、でも、怒るってことは、千尋くんがあたしを心配してくれてるってこと?
え、なにそれ。
何か、怒られてるのにちょっと嬉しくなってきた。
いや、別にあたしがMだとかじゃなくて!
「何でにやけてんだ、あーほ」
「あ、いや、別に千尋くんが心配してくれてるのが嬉しいとかじゃなくて、あ」
しまった! つい本音を言ってしまった。
はぁ? という顔をした千尋くんは、呆れながらもしゃがんであたしに視線を合わせる。
やっぱり、ジャージ姿もすごくかっこいいなぁ……じゃなかった。