千尋くん、千尋くん







「だったら、1回試してみなよ」




「た、めす……?」




「変われ、なんて言わない。溜め込むな、なんて言わない。ただ、頼ってみればって言ってんの」





彼はフワリと、あたしの小さな肩に頭を乗せる。




「その代わり、俺もあるみに寄りかかるから」




「あたし……に」




「交換条件ってとこ」




耳元で囁くようにしゃべる彼。



吐息がかかって、少しくすぐったい。








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