千尋くん、千尋くん







どうして……。





そんな顔されたら、あたしの決心が揺らいでしまう。





本当は、間違っていたんじゃないかと、不安になる。






あたしはただ……千尋くんにも、瑞穂くんにも、熾音さんにも、梓さんにも。




いちばん幸せになってもらえる選択をしたのに……。









そんな顔、しないで千尋くん。







大好きだから……。




大好きなんだから……。














「……っバイバイ」











いてもたってもいられなくなったあたしは。




千尋くんに最後の別れを告げて、空き教室を飛び出した。









< 322 / 397 >

この作品をシェア

pagetop