千尋くん、千尋くん







「……なに、これ?」



「え、ポッキー嫌い?」



「い、いや好き! じゃなくて、なんでこんなに……」



「はは、まぁ、お見舞いの手土産だとでも思ってよ。食お食お」





呆然とするあたしを横に、楽しそうなヒメちゃんはその大量なお菓子を次々に開けていく。




いやいや、絶対全部は食べきれないってヒメちゃん……。





「あ、テレビつけていい?」



「え、うん……」



「このドラマの再放送見たかったんだー」



「……ヒメちゃん」






あたしには何も聞かずに、ただいつもどおり普通に接してくれる。




なんで、ヒメちゃん……。






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