千尋くん、千尋くん
「貸して、くれるの?」
「ん」
「でも、それじゃ千尋くん寒くない?」
「別に、あるみに心配されるほどかよわくはない」
確かに、かよわくは見えないけど……。
いいのかな、あたしなんかが千尋くんのジャージ借りちゃって……。
「……彼女が困ってたら、助けてやるだろ。普通」
「は、はい……///」
ヤバい……なんか、すごく嬉しい。
「お返しは、後でどっさりもらうからな」
「か、過剰請求……」
「うるさい」
なんだかんだで優しい千尋くんが、更に大好きになった、とある体育の時間。