千尋くん、千尋くん
そのあとの元旦も、お正月も、バレンタインも、学校の行事も。
ヒメちゃんと過ごしたり、家族であるお母さんと過ごしたり。
決して、楽しくなかったわけではない。
いっぱい笑ったし、楽しいこともたくさんあった。
だけど、いつでも心の隅だけはポカリと空いていた。
まるでパズルのピースが一ヶ所だけ足りなくて。
それは探しても探しても見つからなくて。
もうどうしようもできなくて。
ただただそのピースを1人で、バカみたいに探し回るあたしが、心のどこかに存在しているのだ。