千尋くん、千尋くん







「あるみにこんなこと言うのも辛いけどさ、一応本当のこと言っとく」





「………」




「……兄ちゃん、向こうで彼女できたんだ」








千尋くんに、新しい彼女……?




ずしりと胸の重みが増す。






「ほら、あの顔だし。頭もいいから英語話せるし、すぐに色んな友達とかできたみたいでさ。……クリスマス頃かな。すっげー可愛い金髪のボンキュッボンな女の子連れてきてさ、俺の彼女だからって……」







そっか……。




そうだよね。





千尋くんモテるし、カッコいいし、だいたいこんなあたしと付き合ってくれてたことが奇跡みたいなことだったし。





そりゃあ、可愛い女の子なんて、いくらでもいるもんね……。





すぐに新しい彼女ができるなんて、当たり前のことじゃんか……。








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