千尋くん、千尋くん

そのせいで、昼休み仕事をしに来ても、生徒は誰１人来ないし。




それでも、その日の日誌をちゃんとつけなければならないので、サボることもできない。






とにかく、図書委員になったはいいが暇なのである。







さらに、ついさきほどちょっとブルーになる出来事があり、いつもの２倍気が沈んでいるあたし。






｢……帰りたい｣






近くにあったボールペンを取って、廃棄処分が決定した本を開く。





よし、コイツにしよう。




とターゲットを決めて、本に載っていた偉人さんの顔に落書きしてみる。




あ、鼻毛も足そう。




なんて本に夢中(色んな意味で)になっていると、図書室の重い扉がギイッと開いた。