千尋くん、千尋くん
「告られたんだ、その娘に」
うん、分かってる。
だってその娘、3組で一番可愛い娘だって、みんなが騒いでたから。
「こっち見て、あるみ」
「や、やだ……っ」
小さく反抗すると、むくれた千尋くんが無理矢理あたしのほっぺを両手で挟んで、顔をあげさせる。
「心配しなくても断ったよ。今は可愛くて可愛くてしょうがねぇ奴がいるからって」
そう言って、ふわりと笑う千尋くん。
ねぇ、それあたしのことだって思っていいの?
勘違い……じゃないよね?