千尋くん、千尋くん
「まっ、待って……///」
「やだ」
「っ……///」
そして次に深くて、長いキスをする千尋くん。
これは体育で、ジャージを貸してくれた時のお礼だろうか。
すごくドキドキして、千尋くんのブレザーにしがみつくのが目一杯だった。
「……っぅ………ち、ひろ…くんっ」
胸がもうバクバクで、頭の中も心の中も千尋くんだらけで、もうよく分からない。
しばらくして、ようやく唇が離れると。
「これはさっき泣かせちゃったお詫び」
そう言って、おでこに一瞬触れるだけのキスを落とした。
そんなの、許すしかないじゃんか。
キスひとつで許しちゃうなんて、あたしは千尋くんにちょっと甘いのかもしれない。