千尋くん、千尋くん






朝、お母さんが今日は雨が降るからって教えてくれたのに。




今日は別のことで浮かれていて、すっかり傘を持ってくるのを忘れてしまったのだ。





結構降ってるし、しばらく止みそうにない。





こうなったら走って帰るしかないかな。





小さくため息をついて、教室から生徒玄関へ向かう。






雨のせいか車で帰る人が多く、まだ学校に残っている生徒は少なかった。






「………あ」






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