千尋くん、千尋くん
放課後、珍しくあたしの教室に迎えに来てくれた千尋くん。
そこで、バイトのスケットをすることになったと聞かされ、頑張ってねと言ったはずなのに……。
「どこ、行くの……?」
「言ったでしょ。一之瀬の代わりにバイトしなきゃいけないって」
うん、それは知ってるんだ。
あたしが聞きたいのは、千尋くんがどこ行くの? じゃなくて、あたしを連れてどこ行くの? だ。
「どうせ暇でしょ?」
「ひ、暇だけど……!」
「じゃあ、いいじゃん」
「………」
なぜかあたし、バイトのスケットのスケットをやることになってしまった……っぽい。