千尋くん、千尋くん
「ち、千尋くん」
「……ん?」
近くに行って声をかけると、あたしに気づいて起き上がる。
半袖ハーフパンツの体育大会バージョン千尋くん。
その首もとには、ちゃんとあたしとおそろいのネックレスが光っていた。
声をかけてみたはいいが、何を話していいのか分からなくて迷っていると、ポンポンと千尋くんが自分の隣の芝生を叩いた。
隣に座れ、ということらしい。
「い、いいの?」
「うん」
許可をもらってからすとん、と千尋くんの隣に座る。