千尋くん、千尋くん
「そんなぁ……」
走る千尋くん見るの、ちょっと楽しみだったのに。
どうせまためんどくさいとか、考えているんだろうか。
「走る千尋くん、見たかった……」
「別に、そんな期待するほど速く走れないよ、オレ」
「でも、クラスの女の子達がね、体育でバスケやってる千尋くんはカッコいいって」
「それ、ただの妄想じゃないの?」
さりげにうちのクラスの子達を妄想族にしてしまう千尋くん。
本人達が聞いたら傷つくだろう。