私と彼の恋愛事情
「もしさ、お前が半分以上点数取ったら…遊びに連れてってやるよ」

数学の教科書をパラパラしながら言う神崎君。

え?え?え?

…………なんですと?

「あの、もう一回言ってもらえません?」

「耳まで悪かったのかよ。…だから、半分以上点数取ったら遊びに連れてってやる」

「嘘じゃない…?」

本当に連れてってくれるの?

意地悪じゃないよね?

「………嘘」

「え!?!?」

「嘘だよ。連れてってやるよ」

まさかのご褒美だった。

まさか……まさか神崎君から誘ってくれるなんて…。

本当に夢のようだ。

「やったーーー!!約束ね?約束だよ!?」

「わかったわかった。…でも半分以上取ったらだからな?」

「うん!私頑張る!」

目標ができていつも以上に張り切る私。

神崎君から数学の教科書を奪って勉強を再開する。

「頑張れよ」

私の背中にそう言い残して彼はドアを閉めた。



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