私と彼の恋愛事情
テストが近づいてきたある日。

帰りにある女子に声をかけられた。

「神崎恭弥…ちょっと付き合いなさいよ」

「…誰?」

「いやね、前に華那の家で顔合わせたじゃない。片瀬ゆなよ」

黒木の友達か。

そう言われると思い出したような気になる。

「で、その友達が俺に何用ですか」

「単刀直入に言うわ。知ってると思うけど、華那はあなたの事が大好きなの」

なんだそんなことか。

そう思い、壁にもたれ掛かった。

「知ってるよ」

「やっぱり。なら話が早いわ。あの子最近すごく勉強頑張ってるの。言うまでもないわ、あなたのためによ」

普通に驚いた。

アイツはそんな素振り見せなかったし、言ってもなかったから。

「そうなんだ」

「やだ、知らなかったの?一緒に住んでるのに」

「一緒に住んでるからって何でも知ってるわけじゃない」

俺がそういうと片瀬は「まぁね」と漏らした。

「それで、ゆなは華那に頑張ってほしいの。だからあなたにお願いをしにきたのよ」

俺に一体何のお願いだろうか。

黒木に何をしたら頑張れるかなんてわからない。

「それで内容は?」

「あのね、華那と遊びに行ってほしいの」




それ俺でいいのか?


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